【1分で話せ】おすすめの本 ~書評・感想
おススメの本、「1分で話せ」。
孫正義も絶賛した、大事なことだけシンプルに伝える技術を教えてくれる1冊です。
著者は、孫正義に認められた人
著者の伊藤羊一さんは、ソフトバンクアカデミアで孫正義さんにプレゼンをし続け、年間1位の成績を修めた経験をもつ、プレゼンのスペシャリストであると紹介されています。
例によって東大卒でMBAも修了しているという経歴でして、Yahoo!アカデミア学長の肩書もお持ちです。
1分で伝える
左脳が理解するロジックを伝えることがまずは重要である、と著者述べます。
そのためには、下図のようなピラミッドストラクチャーを構成せよ、ということでして、結論を明確にした上で理由・具体例によって支える、というものですね。
そして、
伝えるパターンとして、PREP法(point・reason・example・point = 主張・理由・具体例・主張)が紹介されています。
ピラミッドストラクチャーにしても、PREP法にしても、紹介している書籍は数多くあると思うのですが、実際に使えている人はほとんどいないようですので、これができるだけで、頭一つ抜けた存在になれると著者は言います。
加えて、
「スッキリ・簡単に」することが肝要であるとのこと。
スッキリした説明でないと人は聞いてくれませんし、中学生レベルの表現でないと人は疲れる。
前提として、「人はあなたの話の80%は聞いていない」という認識を持つことからスタートすることが重要であるということです。
1分でその気になってもらう
左脳を刺激するだけでは、人は動きません。
右脳を刺激してイメージを想像させることが重要であり、
そのためには、ビジュアルを活用するとともに、「想像してみてください」のフレーズで聞き手にイメージを描いてもらうといったテクニックが有効である、と著者は言います。
1分で動いてもらう
最後に、左脳と右脳を刺激したあとは、「動いてもらう」ためのテクニックを駆使します。
少しだけ紹介しますと、
- 「超一言」で包み込む ~覚えやすく、その一言で言いたいことの全体を表現
- 「リトルホンダ」をつくる ~メタ認知することで、自分の主張を修正し、「相手の立場」に立って話をする
というもののほか、
- 相手を動かすために、できることはなんでもやる
という、気持ちの面での重要性も説かれています。
実践編
職場で直面する5つのシーン(会議で発言を求められる、プレゼン、上司への説明、取引先との商談、会議のファシリテーション)での対応について、実践編として本書では解説されています。
ここでは、特に頻繁に遭遇する「上司への説明」についてご紹介。
- 上司への説明
プレゼンではなく、対話を意識する →自分と上司の頭の中で同じピラミッドを作り上げる(上司の話を聞きだすことが重要)
筆者は、このピラミッドを作り上げる過程では、話の主導権を自分が握るべきであると説いています。
そしてこの過程を、「焼肉理論」と称して説明を加えています。
曰く、
トングを手にして、自分が「焼き方」になる
ということでして、
これによって、常に最高の焼き加減の肉を自分のものにすることが可能になるということです。
大事な事だけシンプルに伝える技術
おススメの本、「1分で話せ」。
孫正義も絶賛した、大事なことだけシンプルに伝える技術を教えてくれる1冊です。
・ピラミッドストラクチャーでロジック(主張となる結論・根拠・具体例)を整理して、PREP法でもって話を進めることで左脳に働きかける
ことに加えて、
・イメージを想像させることで、右脳を刺激し、動いてもらう
ということが、本書における技術的なエッセンスですが、私的には
・根回しだって、アフターフォローだって必要ならば何でもやる
つまり、ちんけなプライドを捨てて、相手を動かすために「できることはすべてやる」というスタンスが実は肝かなと感じました。
きっと、そういうスタンスを持てている状態ならば、「伝えたい何か」自分の中で明確に形作られているでしょうから。まずはその状態に至るまで自分の中で思考を深めることが重要なのでしょうと思いました。
孫正義も絶賛した著者による「1分で話せ」は、すべてのビジネスパーソンにとっておススメの1冊ですよ。