【武器としての決断思考】おすすめの本 ~書評・感想(ディベートの考え方)
前回に続き、おすすめの本【武器としての決断思考】。
「自分で答えを出すための思考法」の具体的な方法として、「ディベートの考え方」を詳細に解説してくれる、おすすめの1冊です。
【武器としての決断思考】おすすめの本 ~ディベートの考え方
ディベート思考とは
前回は、本書【武器としての決断思考】のうち、ガイダンス部分の内容の紹介として、「決断思考とは」について書きました。
今回は、それに引き続き、
本書のメインパートである、「ディベートの考え方」について紹介したいと思います。
手順としては、
- 本質的な論題を行動ベースで抽出する …「〇○すべきか、否か」
- どんなときもメリット・デメリットを抽出 …それぞれ3条件がある
- 深く考えるために反論する …メリット・デメリットに対して
- 根拠があり、反論にさらされ、反論に耐えたものが、正しい主張となる
というのが、ざっくりした内容になるのですが、
これを自分の人生における「決断」をするときに行いましょうということですね。
この中で、
メリットの3条件(内因性・重要性・解決性)、デメリットの3条件(発生過程・深刻性・固有性)が紹介されており、これらを満たすメリット・デメリットをどんなときも比較することが大事である、ということは「そのとおり!」とすぐ理解できますが、
その次のステップである、
「反論にさらされる」ことの重要性は、これまであまり意識したことがないかもしれません。
日本人的には、反論すると「生意気だ」「人格否定だ」となりがちなため、誰か発言力のある人の意見がメリット・デメリットを構成していると、流れにまかせそうになりますよね。
しかし、それでは「ディベート思考」とななり得ないということです。
メリット・デメリットの裏付けとなる「根拠」に対しての、反論に耐えなければ正しい主張とはなりせん。
ちなみに、
本書では、学生に身近な例である「就活」や、国全体の問題である「原発」などを例にして、「ディベートの考え方」が詳しく解説されていきます。
答えが無い時代の決断力
さて、ここまで、
本書が「ディベート」の考え方について述べられていることを語ってきたわけですが、実は最後に、
ちゃぶ台返しのような内容でまとめられます。
それは、
❝最後の最後は主観で決める❞
という、一見論理的でない主張です。
しかし、著者曰く、ディベート思考とは、
❝客観を経て、主観で決断する方法❞であり、
つまりは、
❝自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていく❞
ことだけは忘れてはならないと言います。
さらには、それさえ忘れければ、ディベートの手順なんてものは忘れてもいいとさえ言っています。
そして、
ディベート思考により今の最善解を導き出し、とにかく行動し、間違っていたら修正してまた行動すればよい。それが決断思考なのだと。
確かに、「誰かの決めた正解」や「古い意思決定」が頼りになることが少なくなった、答えの無い時代の決断力としては不可欠な考え方かもしれませんね。
変化の激しい時代に生きていく全ての世代に必要な「ディベートの考え方」が詰まった、この【武器としての決断思考】は、おすすめの1冊ですよ。